エルデシュ

放浪の天才数学者エルデシュ

放浪の天才数学者エルデシュ

エルデシュという数学者の生涯を描いたノンフィクション。

弟にずいぶん前に借りたまま読んでいなかったが、昨日ようやく読み終えた。同じく弟から借りて読んだことのある「博士の愛した数式」のノンフィクション版のような雰囲気。

5章の「神が整数を創りたもうた」は、章末までエルデシュに関する記述がほとんど無い。で、気になって読み進めたら、最後の6行目から記述があった。この記述が面白かった。

エルデシュ自身が超一流の数学者であるせいか、同時代に活躍した数学者や物理学者の名前がずらずら出てくる。ゲーデルアインシュタインラマヌジャン、アンドリューワイルズなどなど。

数学者って一人で研究を進めるイメージがあったけれど、むしろそういうスタイルを貫く数学者はごく少数らしい。

比較的わかりやすい数学については説明がある。例えば対角線論法素数を求める予想式、グラフ、友愛数などの特殊な性質を持つ数の組、分数を単位分数で表す話、ラムゼー理論など。他にも1 + 2 + 3 ... 100 をガウスが説いたとされるエピソード、ディオファントスの生涯を求める話など。

爆弾犯のユナボマー(本名はセオドア・カチンスキー)は数学の博士号を取っていたそうだ。

サイモン・シンの翻訳本と同じくらい楽しめる。(まだビッグバン宇宙論は読んでないけれど)